本社機能とは別に、関西での営業や保守の拠点が必要になった場合、いったいどこに拠点を構えると良いでしょうか。
名刺にも印刷されるような拠点の場所を簡単には決められませんが、土地勘がない中で決めるのは容易ではありません。
『大阪営業所』や『関西出張所』などを名乗るからには、顧客に対してのアクセス性が重要になります。
どのようなポイントに注意して選ばれているのか、決定要素は何か、例示します。
移動手段
まず最初に検討すべきは移動手段だと思います。
自動車であるか、公共交通機関であるか、自転車や徒歩であるか、といった選択肢があります。
- 自動車(50km圏内)
- 自動車(高速道路を使う圏域)
- 鉄道(100km圏内)
- 鉄道(特急や新幹線を使う圏域)
- 飛行機
- バイク
- 自転車
- 徒歩
自動車であれば駐車場が必要になりますし、公共交通機関であれば駅やバス停が近くなければ不便です。
活動エリア
自動車での移動であっても、市境や県境を越えない範囲での活動であるのか、遠方まで行くのかで拠点の考え方が変わります。
幹線道路と高速道路の両方に近い場所は、相応に家賃も高くなります。さらに駐車場付きの物件となるとレア感が増します。
鉄道駅については、住宅との競争があるのでますます家賃が高くなる傾向にあります。
従業員の通勤
関西ブランチの開設にあたり、従業員をどのように配置するかで意見が割れるところですが、いずれは関西在住者を採用する、関西に腰を据えて働くという従業員も出てくると思いますので、家族と暮らせるマイホームから通勤できるということが、良い人材を確保する上で重要になります。
よくあるのが、総務や経理のベテランを本社からブランチへ異動させようと思っても家族が居るために単身赴任になってしまうため人選に難航、若手では総務・経理・庶務など複数の業務をマルチにこなすのは過酷で過労の恐れがある、となる場合です。
現地で総務や経理などをマルチにこなせる40代を採用しようと思った場合、ベッドタウンからの通勤圏にあることが重要になります。
周辺ショップ
オフィスとして必須とは言いませんが、コンビニや飲食店の近さ(遠さ)は、働きやすさに影響を及ぼします。
コンビニまで徒歩10分となると、真夏や雨天には行きたくないと思ってしまいます。
そうなると昼御飯は抜きでもいいや、となり従業員には小さなストレスを与えることになります。
お客さんが来ていて『一緒にランチでも』とお誘いするにも、近所に飲食店が無ければできません。
良い匂いに誘われてはいるようなうなぎ屋や焼き肉屋も、近くに無ければそんなハプニングは起こりません。
倉庫機能
出張所として営業人材が居るだけの拠点なのか、商品や保守部品などを在庫して機動力を高める拠点なのか、この違いは大きくなります。
倉庫機能が必要になると、その在庫量で床面積も大きく変わります。
その品物をどこへ届けるのかといったことも深く関わります。
本社倉庫から出荷すれば良いものと、ブランチにも在庫しなければならないもの、この見極めは簡単ではありません。
また、年末に持ち歩くお歳暮やカレンダーなども、このブランチが抱える顧客数によっては段ボールが山積みになるので、そうした場所を確保できる部屋が無ければ、業務が滞る可能性があります。
重量物NG物件が多い
テナントビルの多くは、重量物の持ち込みを禁止しています。
床面積1㎡に対して300kgまでを許容するといった物件が多いかもしれません。
オフィス用のデスクを2つ置いて、体重100kgの人がそれぞれに着席して仕事をすると、概ね1平米に250kgくらいの荷重がかかっていることになります。
書棚にカタログをギッシリと詰めていると、平米換算したら300kgを越えているということもあります。
最近のオフィスで多いシステムフロアなどと呼ばれる、床のタイルカーペットの下に台が組まれていて、その台の下にLAN配線などが敷設されているタイプの床では、規定以上の荷重をかけると脚が折れたり、床に穴が開いてしまい、弁償することになります。
セキュリティ・治安
ビルのセキュリティシステムについては後からでも追加できますが、地域の治安の良し悪しは簡単には変わりません。
現金や高価な品を扱うオフィスであれば、治安の良さは重要になります。
従業員の身の安全を守る視点からも、治安の良さは重要になります。
空調
セキュリティとの関係性が遠からずというところでは、空調があります。
空調が全館一斉に動作する空調であるのか、個別空調であるのかは重要なポイントです。
全館空調の場合、コアタイムは他のテナントさんと共用している感じでリーズナブルですが、例えば深夜に自社だけ空調を使いたいという場合でも大型装置が動いてしまうため、別途請求される空調料金がお高いという場合があります。
さほど大きくないオフィス、本社ではなく出張所やサブオフィスといった感じであれば、セパレートエアコンや個別空調などと呼ばれるタイプが良いと思います。
通信・拡張
オフィスとして使う場合、通信回線の強固性や拡張性が重要になる場合があります。
音声通話については携帯電話でも対応できるようになっているので固定電話が必要であるかわかりませんが、インターネット通信ができる必要はると思います。
VPNを組んで本社と機密性の高い通信をするという場合、そのための光ファイバを新たに敷設する必要があるかもしれません。
そのようなことに対応できるのか、通信事業者は複数から選択できるのか、といったこともオフィス選びには重要になります。
家賃
毎月のこと、複数年のことになるので家賃も重要です。
複数路線が利用できる駅前、雨に濡れずに駅からビルへ移動できて近所に保育所もある好立地で、事務室と会議室を別々に設けることができるオフィスビルで家賃10万円、そのような条件を満たせる物件は滅多にないかもしれません。
さらに、大阪市内で、ターミナルである梅田も、大阪府庁や大阪市役所までも、自転車で10分程度で行けるような場所となると更に見つかりづらいと思います。
家賃というのは、すべてを決定づけるものになりますので、拠点としての必要な経費を予め計画しておく必要があります。
南扇町ビル
南扇町ビルは、1階は天神橋筋商店街に面しているので物品販売店や飲食店などが入るフロアーですが、2階以上はオフィスビルです。
かつては設計事務所として借りる方々多く居りましたが、時代の変遷とともに借り手も変わってきています。
色々なお仕事をされる方々が、日々出入りされております。
南扇町ビルの詳細はコチラからご覧いただくことができます。ぜひ、テナントに入って頂ければと思います。